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お子様の将来を左右する大切な6歳臼歯 Blog

歯科医 永田 さやか (ながた さやか)
スカイ&ガーデン デンタルオフィス 院長


お子様の奥歯のさらに後ろに、白い歯が少し見えてきたことはありませんか。5~6歳頃、幼稚園や保育園の年長から小学校低学年にかけて、この時期に生えてくるのが6歳臼歯です。この記事では、6歳臼歯の特徴と注意点、予防の考え方についてお伝えします。

3つの重要な役割

専門的には第一大臼歯とも呼ばれ、永久歯の中でも比較的早い時期に萌出します。6歳臼歯は口腔内で以下のような役割を担います。

  • 強い咀嚼機能を担う
    6歳臼歯は永久歯の中で最も大きく、噛む力も強い歯です。食物をすりつぶす働きを担い、咀嚼を通じて消化を助けるほか、顎の発育や口腔機能の形成にも関係が深いです。

  • 噛み合わせの基準となる
    乳歯の奥に生え、その位置を基準に他の永久歯が並んでいくため、6歳臼歯は噛み合わせの安定に関係します。適切な位置で機能することが、将来的な歯列や咬合バランスに影響を与えます。

  • 顎の高さを支える
    上下の6歳臼歯が噛み合うことで、顎の高さが保たれます。この状態が維持されることで、顎や口周囲の筋肉がバランスよく使われるようになります。

未成熟な歯質が虫歯を
進行させやすい

6歳臼歯は、口腔内でさまざまな役割を担う一方で、虫歯のリスクが高い歯として知られています。乳歯が抜けてから生えるのではなく、乳歯の奥から静かに萌出するため、生え始めに気づかれにくく、ケアが遅れてしまうことがあります。また、生えた直後の永久歯は歯質が未成熟で、エナメル質の耐酸性が十分ではないため、虫歯が進行しやすい傾向があります。さらに、完全に生えきるまでの間は歯の一部が歯肉に覆われた状態が続き、歯ブラシが届きにくくなり、噛む面の溝が深く複雑な形状をしていることも、汚れが残りやすくなる一因といえます。

虫歯になってしまった場合、治療では感染部分を取り除き、詰め物や被せ物で機能を回復させますが、一度削った歯質は元に戻りません。特に6歳臼歯は早く生えるため、幼少期の管理が将来の歯の寿命に大きく影響します。小さな虫歯でも放置すると再発や進行を繰り返し、最終的に神経治療や抜歯につながることがあります。だからこそ、まずは6歳臼歯を虫歯にさせないことが永久歯の健康を守る第一歩となるのです。

6歳臼歯を失った場合に
起こりやすい影響

虫歯になりやすい特徴に加え、永久歯の中でも最も早い時期に生えてくるため、永久歯の中でも比較的早く失われやすい歯とされています。6歳臼歯は噛み合わせの基準となる役割を担っているため、抜歯に至ると口腔内にさまざまな変化が生じる可能性があります。

噛み合わせや食事への影響

  • 抜けたスペースに前後の歯が倒れ込み、噛み合わせが乱れやすくなる

  • 噛む力の中心を担う歯を失うことで、咀嚼効率が低下する

  • 食べ物を噛みにくくなり、食事のしづらさを感じることがある

また、噛む力の負担が他の歯に偏ることで、歯の破折や残っている歯の寿命を縮めるリスクが高まることもあります。

顎の骨や見た目への影響

  • 歯槽骨の減少により、顎の安定性が低下する

  • 奥歯で噛めなくなることで、頬のたるみやシワが目立つ場合がある

  • 顔の輪郭に変化が出ることもある

歯を支えている顎の骨(歯槽骨)は、噛む刺激が加わることで保たれています。6歳臼歯を失うと、その刺激が減少し、骨が徐々に減っていく傾向があります。

歯並び・矯正治療への影響

  • 治療計画が複雑になりやすい

  • 治療期間が長くなる傾向がある

抜歯によって歯列全体のバランスが崩れると、将来的に矯正治療が必要になった場合、上記のような影響が出ることもあります。

成長期だからこそ注意が必要

特に成長期に6歳臼歯を失うと、永久歯列や噛み合わせの形成に与える影響が大きくなります。そのため、可能な限り歯を残す治療を検討することが望ましいとされています。万が一、抜歯が避けられない場合でも、空いたスペースをそのままにしておくと、噛み合わせや顎の健康に影響が及ぶ恐れがあります。状況に応じて、適切な対応を検討することが大切です。

一生使う大切な歯のために
今できること

生え始めの時期から適切な予防管理を行うことで、虫歯のリスクを抑えることができます。この時期は、お子様自身の歯みがきだけでは奥歯まで十分に清掃できないことが多く、保護者の方による仕上げ磨きが欠かせません。特に6歳臼歯は位置が奥まっているため、状態を確認しながら丁寧に磨くことが大切です。毛先の細い補助用ブラシを併用すると、歯ブラシが届きにくい部分の清掃性を高めることができます。

また、以前の記事でも紹介した通り、予防として歯科医院で行う歯質を強化するフッ化物塗布や、噛む面の溝を保護するシーラントなどの処置を推奨しています。あわせて、生え始めの段階から定期的に歯科医師や歯科衛生士によるチェックを受けることで、6歳臼歯の萌出状況や磨き残しの有無を確認できます。早い時期からケアすることで、虫歯の予防だけでなく歯磨きの方法や癖を見直すきっかけにもなります。これらを日常のブラッシングと組み合わせることで、6歳臼歯に虫歯のない状態を維持しやすくなります。

まとめ

6歳臼歯のお手入れを意識することは、今の虫歯予防だけでなく、将来の噛み合わせや歯並びにも大きく関わります。生え始めの時期から適切にケアをすることで、永久歯を長く健康に保つことが期待できます。お子様の奥歯の生え方や状態が気になる場合は、まずはお気軽にご相談ください。

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