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MTAセメントで神経を残す。 Blog

歯科医 永田 さやか (ながた さやか)
スカイ&ガーデン デンタルオフィス 院長

大きな虫歯で、歯の内部にある神経にまで細菌感染が及ぶと神経を取り除く処置が必要になります。神経を取った歯でも咬む感覚は残りますから、修復すれば今まで通りに咬むことができます。

けれども歯の神経の有無はその歯の寿命を大きく左右します。神経を取ることにより栄養されなくなった歯は折れやすく、割れやすくなります。

折れたり割れたりした歯は残念ながら抜歯になる可能性が高いのです。極力歯の神経を残し、歯の寿命を延ばすために、当院では「MTAセメント」を用いた歯髄(=歯の神経)温存療法 を行っております。

◆歯髄保存の救世主、「MTAセメント」の特性

1.強アルカリで殺菌性が高い

多くの細菌はpH9.5で死滅すると言われています。MTAセメントは硬化過程でpH12.5の強アルカリ性を示し、高い殺菌性を備えています。

2.封鎖性がよい

MTAセメントは硬化する際に膨張する性質がありますので微小漏洩を防ぎ、細菌の侵入防止に優れています。

3.生体親和性に優れている

カルシウムイオンが放出され歯の成分であるハイドロキシアパタイトが形成されます。

4.口腔内での使用に適している

一般的な歯科用セメントは水分に接すると接着力が低下しますが、MTAセメントは親水性なので血液や組織液で濡れている部分でも使用可能です。

◆「MTAセメント」使用のメリット

●歯の神経を保存できる可能性が高まります。

MTAセメントによる覆髄処置を行うことで、虫歯が神経に近接・到達していた場合でも、神経を全て取らずに保存できる可能性があります。

また、歯の切削量を最小限に抑えることができます。

◆「MTAセメント」使用のデメリット

●適応症が限られます。

MTAセメントによる覆髄処置は、細菌感染していない生活歯髄が適応症です。 何もしなくてもズキズキ痛んだり温かい物を口に含んで痛む場合は、細菌感染が歯髄深部まで進行している可能性が高いので、非適応症になります。

●治療直後は歯がしみる場合があります。

MTAセメントによる覆髄治療の直後は、虫歯除去時の刺激や覆髄処置の刺激により一時的に神経が過敏になり、熱等の刺激でしみることがあります。

MTAセメントを使用した治療法について興味のある方はご相談ください。

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