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もしかして口腔がん⁉気を付けたい口の中のできもの Blog

 

堀ちえみさんの舌がんの公表で口腔外科の受診数が増え、結果的に舌がんの症例数が増えたそうです。(2020.4.14 NHK)

お口の中にできる癌(悪性腫瘍)を「口腔がん」といいます。
口腔がんのうち最も多いのは舌がんで、口腔がんの約40%を占めます。
その他にも歯茎や唇、顎の骨の中にもがんはできます。

口腔がんは日本人の癌全体の5%で年間6000人の人が罹患します。
①近年増加傾向にあり
②口腔内と咽頭(のど)の領域を合わせた進行癌の死亡率が46.1%と高い事から、油断ができない癌であることは間違いありません。

~口の中の癌はどう見える?~
口腔がんの見た目は、しこりのように硬いタイプや、カリフラワーのようにもこもこしたタイプ、クレーターのよう凹んだタイプなどに分かれます。
口腔がんは、直接見ること、触れることができるため、内臓の癌などとは違い本来は発見しやすいものです。
一方で口の中には歯周病や根尖性歯周炎(根の先の膿の袋)、エプーリス(良性のできもの)、骨隆起(骨の盛り上がり)、歯ぎしりや食いしばりで噛んだ「痕(あと)」などで絶えず変化しますから、気が付いていてもそのうちに治るのではないかと放置してしまいがちです。

~もしかして口腔がん!?気を付けていただきたい口の中のできもの~
①なかなか治らない(3週間以上)大きな口内炎
②なかなか治らない(3週間以上)入れ歯や歯の詰め物、かぶせ物でできた傷③こすってもとれない白い着色
④歯茎や舌の硬いしこり
⑤歯茎や舌表面の赤いただれ

~症状~
初期の癌では、ほとんど痛みがありませんが、大きくなってくると食べ物でしみたり、触ると出血したり、しびれ、飲み込みにくい、話しづらいなどを感じるようになります。悪臭(強い口臭)がすることもあります。進行すると首のリンパ節に転移してしこりが触れるようになります。

~原因~
原因として注目されるのは、やはり喫煙です。タバコの煙に含まれる発がん物質は直接お口の粘膜を刺激するするため、特に口腔がんの発生に喫煙は大きく関与しています。
アメリカの疾病予防管理センターの調査によって、喫煙は肺がんをはじめ食道がん、胃がん、白血病など多くのがんの発生に関与していることが科学的に証明されています。

喫煙以外では、口の中の不衛生や慢性刺激、飲酒なども原因と考えられています。もちろん歯を磨かない、入れ歯の掃除をしないなどの衛生状態が悪いことも原因になります。

~治療法~
治療には外科手術のほかに、抗がん剤や放射線療法も効果があります。

手術の場合は、小さい腫瘍でしたら切除して縫い縮めるだけで済みますが、大きな手術では顔の下半分や、舌のほとんどを切除するようなこともあります。食べる、話すといった機能改善とともに見た目も重要ですので、その場合は胸やおなかの筋肉、手の皮膚や足の骨を舌や顎に移植する必要があり大きな負担となってしまいます。

舌癌、口腔底癌において転移は多く見られ、その多くがリンパ節転移です。遠隔転移は比較的少ないですが、肺転移や骨転移を来たした場合は、生命予後が悪くなります。治療後は主治医と相談した上で、定期的に口腔、頸部リンパ節、肺(胸部)の再発・転移チェックのために、通院が必要です。

~予防法~
①禁煙する
②お酒の量に注意する
アルコールが分解された時にできるアセトアルデヒドという成分が発がんに関与するといわれています。アルコールの消費が多い国(フランスなど)は口腔がんが多く発生しているとのデータもあり、飲酒によりリスクが18%アップするとの報告があります。
③緑黄野菜、果物を積極的に摂取する
ビタミンC、βカロチン、リコピン、などの抗酸化物質が有効です。ただし、サプリメントでなく自然素材そのものから摂取することも重要です。
③定期的にクリニックで診てもらう
口腔癌は初期のうちに適切な処置がおこなわれれば十分に良くなることが見込まれますので、初期段階で発見することが極めて重要です。

「入れ歯のあたり」などの慢性的な刺激や、「お手入れ不足」などのお口の中が不潔であることはリスクの増加になる可能性がありますので、かかりつけのクリニックできちんと診てもらいましょう。歯周病や虫歯の継続的な管理などと一緒に、定期的な通院、健康管理が推奨されます。