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歯ぎしりは寝ている時のみならず。不必要にくいしばっていませんか? Blog

前回のブログでは睡眠時ブラキシズムについてお話ししました。
今回は目覚めている時に起こる歯ぎしり、「覚醒時ブラキシズム」についてです。

何か集中して作業をしている時、無意識に歯をくいしばっているという人、結構いらっしゃるのではないでしょうか。睡眠時ブラキシズムが「睡眠関連運動異常症」と分類されるのに対して、覚醒時ブラキシズムは様々な条件に伴って獲得された習癖(しゅうへき=くせ)と考えられています。

覚醒時ブラキシズムには噛みしめのような強い力を伴わない習慣的な接触「歯の接触癖:TCH(Tooth Contacting Habit)」もあり、特に近年注目を集めています。

TCHは「弱い噛みしめを長時間おこなう癖」で、「緊張・集中する場面」、「うつむきがちな姿勢を長時間続けている時」、「1人で黙々と作業している時」などに多く認められます。

リラックスした状態であれば口を(唇を)閉じていても、上下の歯は数ミリほど空いているのが正常な状態です。上下の歯は会話や食事のときには接触しますが、それも一日24時間中20分程度が平均ですので、トータルでもほんのわずかな時間しか接触しないのです。

強い咬みしめ、食いしばりは長時間続けることが難しいのですが、弱い歯の接触は気付かずに続けていることが多くあります。気付かずに長時間にわたり上下の歯を接触し続けると、歯や歯周組織だけでなく全身にも大きな影響を及ぼすことになります。

TCHがもたらす口以外の症状
肩がこる/あごの痛みや違和感(顎関節症)/頭痛/耳鳴り/腰痛

TCHがもたらす口の中の症状
歯周病の悪化/歯が削れる(咬耗)/歯の破折/舌や頬の粘膜を誤って咬む/つめものやさし歯が取れる、割れる/入れ歯が痛む/咬み合わせの違和感/口内炎/ドライマウス(口腔乾燥症)/根の治療をしている歯の痛みが取れない/舌痛症/歯がしみる(知覚過敏)/歯が沈み込む/口が開きにくい(開口障害)

●TCHのセルフチェック
自分がTCHかをチェックできる簡易診断法がありますのでご紹介します。

壁に背中をつけてまっすぐ前を向いて立つ。軽く唇を閉じたまま、上下の歯が触らないように少し離す。
この状態で
①口や顎の周りに違和感がある。
②そのままで5分間維持するのがしんどい。

どちらかひとつでもあてはまれば、TCHの可能性が高いです。 ただしこのテストにひっかからなくても、TCHの方はいらっしゃいますので注意してください。

●TCHの治療法
TCHのお話しをすると、「歯と歯が離れているのが普通と初めて知りました。」という方や、「上下の歯を数ミリ話すの難しいんですが…」という声が多く聞かれます。

TCHが疑われる場合には、歯を離すことを意識することからはじめてみましょう。日常生活で視界に入りやすいテレビやPCの画面、洗面台、トイレ、食卓、車の中などに「上下の歯を離す」などと書いたふせんを貼るなどして、意識しやすい環境をつくりましょう。メモを見て意識することを3~4カ月続けると、メモを見なくても自然と上下の歯は接しなくなります。

TCHは、日常生活の中で無意識のうちにやってしまうため、なかなか発見するのが難しい癖です。しかし、TCHが疑われる患者様が生活の中で少し気にかけていただくことでハッと気づく瞬間が来ます。 患者様からお話を伺った例では以外にも「料理をしている時に気が付いた!」の回答が多くありました。包丁を使っている時は緊張するのでしょうか。他にも営業中の車内、TVを見ていた時、ボーっと考え事をしていた時などがありました。一度気がつくと、どんどん気がつくようになるそうです。

既に歯ぎしりや噛みしめにより強い症状がでている場合は、マウスピースをはめてダメージを防ぐことを優先します。