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保険診療で行う睡眠時無呼吸症候群のマウスピース療法について Blog

■睡眠時無呼吸症候群という病をご存知ですか?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。2012年の関越自動車道でのバス衝突事故など、SASが関与したとされる交通事故、鉄道事故が相次いだため社会に広く知られるようになりました。

医学的には10秒以上気道の空気の流れが止まった状態を無呼吸とし、睡眠中に無呼吸が30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

大きく3種類に分類され、「閉塞型」が最も多い病態です。

・脳や神経などの異常で呼吸をする筋肉に指示が行き届かなくなる「中枢型」

・肥満などにより喉が塞がってしまう「閉塞型」

・中枢型と閉塞型の混ざっている「混合型」

■なぜ呼吸が止まるのか?

閉塞型睡眠時無呼吸症候群は肥満や顎の骨格などの体形が原因で起こります。喉の空気の通り道(気道)が狭くなると呼吸がしづらくなり、「いびき」が生じます。さらに気道が一時的につぶれ、塞がってしまうと無呼吸を引き起こします。

気道を狭める一番の要因は、肥満による首回りの脂肪沈着で、もともと肥満体型の方よりも、若い頃と比べて10キロ以上体重が増えた中年太りの方で、習慣的にいびきをかいているなら注意が必要です。また、日本人は痩せていても、あごが小さい骨格の特徴が関与し、SASになる方が多く見られます。

■SASの症状と体に与える影響について

寝ている時に起こる為、患者本人が気づきにくい睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な症状は以下のようになっています。

就寝時

・いびきをかく・呼吸が止まる  ・呼吸が乱れる、息苦しさを感じる・何度も目が覚める(お手洗いに起きる)・寝汗をかく

 起床時

口渇・頭痛・熟睡感がなくすっきり起きられない・身体が重いと感じる

 日中

・強い眠気がある・だるさ、倦怠感がある・集中力が続かない・いつも疲労感がある

SASが深刻なのは、寝ている間に生じる無呼吸が、起きているときの私たちの活動に様々な影響を及ぼすことです。本来睡眠は身体の休息に必要不可欠な時間です。その最中に呼吸停止が繰り返されると体の中の酸素が減っていき、その酸素不足を補おうとして身体は心拍数を上げます。脳や身体には大きな負担がかかり、その結果、強い眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされ、日中の様々な活動に影響が生じてきます。そして長期間にわたる無呼吸は心臓疾患や脳疾患の発症リスクを引き上げ、突然死を引き起こすこともあります。

 

当院が推奨する睡眠時呼吸症候群(SAS)の歯科的治療

SASの治療法には、症状を緩和させるもの(対症療法)と、根本的に原因を取り除くもの(根治療法)とがあり、患者さんの状態に合わせて最適な治療方法が選択されます。日本で最も普及している「CPAP療法」、軽度な症状に適した「マウスピース療法」、根治療法の「外科的手術」の3つが主な治療法です。

主にいびき症の方や軽症の方に有効な治療が、顎の位置を整え呼吸を改善させる「マウスピース療法」で、健康保険が適応されます。SAS治療用のマウスピース(スリープスプリント)は、一般の顎関節症治療用や歯ぎしり防止用、スポーツ選手が使用するスポーツマウスピースのいずれとも異なったものです。スリープスプリントは上下一体型で、下顎を上顎よりも前方に数mm突き出して(受け口のようにして)かみ合わすよう固定されています。

患者さんはスリープスプリントを装着し、横向きに寝ていただきます。下顎が前に出ると気道は横に広がり、上気道が広く保たれることで喉の閉塞を防ぎます。喉の空気の通りがよくなるためいびきも緩和されます。

歯型を取るだけで比較的簡単に作成できるため、患者様にとってマウスピース療法はお手軽な治療といえます。日本で最も普及しているCPAP療法は就寝時に不快感を感じ、やめてしまう方もかなりいらっしゃるので、どうしてもCPAPがダメという方に対する代替療法としても有効です。またコンパクトで携帯可能の為、旅行用としてもお勧めです。

対象として、歯に固定する装置の為ほとんど歯がない方や総入れ歯の方は使用できません。重度の顎関節症で口が開けにくい方も使用できません。副作用に一時的な顎の痛みや違和感がありますが、数週間の使用で徐々に慣れていく場合がほとんどです。

 

スリープスプリントの作製は、医療機関でSASと診断されると保険適用になります。専門の医療機関でSASの診断書・紹介状を取得していただき、武蔵浦和にある歯医者、スカイ&ガーデンデンタルオフィスをご予約ください。装着後検査を行った医療機関にて、スリープスプリントの効果判定を行うことも可能です。