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お口の中のエイジングケアできていますか? Blog

歯科医 永田 さやか (ながた さやか)
スカイ&ガーデン デンタルオフィス 院長

エイジングケアとはどういう意味でしょうか?
エイジングは加齢や老化という意味のことで「エイジングケア」とはその方の年齢に応じたお手入れ(ケア)をすることを指します。
同じくよく耳にする「アンチエイジング」とは、意味合いが違います。
「アンチエイジング」は「エイジングケア」より少し強い印象を受ける老化を阻止するという意味合いがあります。

お口のエイジングケアとは

加齢することにより内臓や筋肉などと同じく口の中も、機能や働きが衰えたり劣化していきます。
これをオーラルフレイルと呼びます。そこで不自由なくできていたことが、少しずつ時間がかかるようになったりトラブルが起きやすくなります。どんな変化があるのでしょうか。

●歯:すり減って前歯は短く奥歯の噛む面が平らになってくる(咀嚼能率の低下)
   もろくなる(ひび割れ、欠けやすくなる)

●歯茎:歯茎が後退する(歯が長くなったように見え、歯と歯の間に隙間ができ食べ物がはさまりやすくなる)

●唇:唇の湿性低下で、乾燥や荒れひび割れ(大きな食べ物や入れ歯がお口に入れにくくなったり、口角炎やびらん状になりやすい)

●味覚:口腔内が乾燥したり味蕾の減少、萎縮により味覚の低下や変調をおこす
    (味が薄く感じる、美味しく感じない)

●唾液:唾液腺自体の劣化、その周辺組織の柔軟性低下により唾液の分泌量が低下します。
    (唾液により洗い流す自浄作用の低下により口腔内環境が悪化し、虫歯や歯周病に
    なりやすくなる又は咀嚼能力低下や食べ物を飲み込む嚥下に障害を起こしやすい)

このようなオーラルフレイルがおこりやすくなることから、少しずつ進行を抑えるようなお口のエイジングケアをしておくことをおすすめします。お口の中を清潔にするばかりではなく、お口の疾患を予防し機能や働きを維持することにより快適な生活を送ると共に全身の健康の維持向上につなぐことになります。

お口のエイジングケアの内容

虫歯や歯周病のケア

歯を失ってしまう原因の大部分は虫歯と歯周病です。
そのどちらも口腔内の細菌によりひき起こされます。歯ブラシを主体にデンタルフロスや歯間ブラシ、洗口薬剤などを用いてプラークを取り除き口腔環境を清潔に保つセルフケアが最も重要です。定期的に通院しお口の清掃状況や虫歯や歯周病のチェックをおこない早期発見や早期治療に務めましょう。

口臭ケア

口臭の原因の87%は口の中にあり、揮発性硫黄化合物が増えることによります。この物質は口の中の細菌がタンパク質などを分解する時に発生します。歯周病由来の口臭もありこの解決法は口腔内細菌数を減らすため、しっかりブラッシングすることです。原因物質は舌の上が最も多く発生するといわれており、舌表面には付着する苔状の舌苔によるものです。舌ブラシなどで舌をきれいにすることで、口臭が減少する可能性はあります。ドライマウスの改善や禁煙も効果に期待できます。
場合によっては全身疾患も疑われますので他科への受診をおすすめすることもあります。

味覚の改善

舌表面には味覚を感じとる器官である味蕾が多数分布しています。味覚物質が溶け出し味蕾を刺激するのですが、ドライマウスや多量の舌苔があると味を感じにくくなります。それは、味覚物質が溶けにくかったり舌苔があると覆ってしまうからです。ドライマウスに関しては、全身疾患やストレスなども関与しますので適切な対処が必要な場合もあります。
舌苔については優しく舌の表面から取り除きましょう。

お口の機能維持、回復

お口の役割として生命維持や日常のコミュニケーションに大きな影響を与えています。咀嚼や摂食や嚥下や味覚、発音障害といった機能がありますが、この機能が低下すると食欲が減少し免疫力や抵抗力、体力、気力とあらゆる面で下降していきます。当然、コミュニケーションにも悪影響を及ぼします。お口のエイジングケアとして口腔清掃をしっかりし必要に応じては摂食、嚥下機能のリハビリや機能向上の運動等を取り入れます。

誤嚥性肺炎予防

食物や唾液などを加齢による嚥下機能の低下や脳血管疾患の影響で口腔内の細菌と共に誤嚥することで起こる肺炎です。特に、歯周病菌が肺に異物と一緒に入ることで発症します。予防としてはオーラルケアを行い口腔内を清潔にして、摂食嚥下機能低下を防ぐことが重要です。そこでお口のエイジングケアのやり方や道具など、その方に合わせて取り組んでいただけるよう、ご相談ご質問お受けいたしますのでお気軽にお声がけ下さい。

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