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舌を見るとわかるあなたの健康状態 Blog

歯科医 永田 さやか (ながた さやか)
スカイ&ガーデン デンタルオフィス 院長

舌を見るだけで、あなたの口腔内、そして今の健康状態を判断することが出来ます。最近舌が白いような気がする、これって病気なのかな、年のせいかなと悩んでいる方がいらっしゃるかも知れません。自分の舌が健康なのか、それとも受診をした方が良い状態なのか、心配になっている方は下記の5つの見分け方をご紹介しますので、参考にしてみて下さい。

舌の健康状態見分け方

*舌を観察するときは飲食物の色がつかない様、キムチやコーヒーなどの色が濃いものを召し上がった後を避けてください。

1つ目、舌苔(ぜったい)の状態です。

舌の表面が白や黄色みがかかっている、糊のようにべたついた白いものが付着しているときがあります。舌の表面に付いたこの白い苔状のものを舌苔といいます。

舌苔は乳頭状にのびた舌の上皮に食べかすが付着したもので、うっすら薄く付着している場合は正常です。しかし舌苔が厚みを増してくると細菌が増殖し、誤嚥性肺炎の原因にもなってしまいますので、その場合は舌の清掃が必要です。

舌の清掃は専用の「舌ブラシ」を使います。少しずつ横に移動して、奥から前方へ、かき出すように数回ブラッシングします。あまり強くゴシゴシと力を入れすぎてしまうと、舌が傷つきます。するとさらに細菌が付着しやすくなり、悪循環になる場合があるので注意してください。

また、舌にヒビが入っている、乾燥して白くパキパキしているようなときは、舌苔が付着している上に口腔内も乾燥していますから、栄養補給や水分補給を心がけると良いでしょう。

2つ目は、舌の色です。

健康な舌は、ピンク色をしています。一部だけが赤くなっている舌は、がん化する可能性が高い紅板症(こうばんしょう)や舌がんなどの病気の可能性もあります。この場合は、歯科医院の受診をお勧めします。定期的に受診していただき経過を観察していくか、専門の高度医療機関に紹介するかどうかは、歯科医師が判断します。

暗紫色の舌は、血行の巡りが良くない状態になります。血行の巡りをよくするために、入浴をすることや、こまめな水分補給、定期的なストレッチをすると改善されていくそうです。

黄色がかった舌は、水分不足です。喉が渇いていなくても、こまめな水分摂取をすると口腔内の健康、そしてそれが身体全体の健康に繋がるので、是非行なってみてください。

3つ目は、舌の動きです。

舌は、食事をするときや話すときなど色々なときに実は使っていて、とても重要な役割をしてくれています。舌が自分の思う方に動いたり、力を入れたり出来るのは健康な証拠です。ただ、舌は筋肉と同じなので歳を取るごとに衰えていき、これにより、悪影響を及ぼします。咀嚼や食べ物を咽頭に送る役割もしてくれているので、舌の筋肉力を落とさないようにしていきましょう。いつまでも、自分の歯で食物を咀嚼し食べることが全身の健康にも繋がります。

4つ目は、舌の大きさです。

舌の大きさで、むくみの状態が分かり、その結果水分が足りているか、代謝が正常か、体が冷えていないかが確認できます。疲れて新陳代謝が低下し、水分代謝も悪くなってむくんでいるときは舌の両側に歯形が付いています。そのときには十分な睡眠や栄養摂取が必要です。

5つ目は、舌の裏の血管の色です。

舌の裏には「舌下静脈」という血管が目視できます。左右を比べ、膨らみや異常は無いか、同じような色をしているかどうかチェックします。分かりにくい場合は、写真を撮り何日か記録してみたり、他の人に確認してもらったりすると違いが分かると思います。

舌は身体をうつす鏡

舌は体質や内臓の状態を反映する鏡であると考えられており、東洋医学では「舌診」を重要視しています。

口腔内は体調の変化が表れやすい場所です。鏡を見ながら、舌を観察してみると舌の状態から身体の変化にも気が付きます。口腔内の健康が、全身の健康を左右すると言っても過言ではありません。舌をしっかりとケアしながら良い状態を保っていきましょう。

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