口内炎には様々な種類があり、入れ歯（=義歯）が原因でできる口内炎を「義歯性口内炎」といいます。
入れ歯が接触する部分（とくに下やへりのあたり）の歯茎が白くなったり、赤くなったり、えぐれてしまったもので、入れ歯を入れているだけ強い痛みがあります。入れ歯を入れることが辛くなり、思うように食事がとれない為栄養状態も悪化します。
近年は口内炎の治療薬として口腔内専用の軟膏なども薬局で購入することができますが、義歯性口内炎は軟膏だけでは治らないことがほとんどです。
今回は義歯性口内炎ができる原因と、早く治すための対処法について紹介します。
入れ歯が合わない？義歯性口内炎ができる理由その１
なぜ入れ歯との接触部に口内炎ができてしまうのでしょうか？それには主に2つの理由があり、最も多いのが入れ歯と粘膜が適合していない、というものです。
合わない入れ歯を使っていると、食事・発話の度にお口の中で入れ歯がガタガタと動いてしまいます。入れ歯が部分的に強く当たり、何度も擦れる状態が継続するため、粘膜が損傷を受けその結果潰瘍ができます。
入れ歯はプラスティックのような硬い素材で弾力性がないため、義歯性口内炎ができやすいのです。
合わない入れ歯を使い続けることで、口内炎が固くなって治りが遅くなってしまうこともあります。
入れ歯の金属、金具の部分
小さい入れ歯はお口の中で動かない様、金属のバネで残っている歯に固定します。この金属、金具の部分が口腔内に当たることでも口内炎ができます。
最初は小さくても、日々刺激を与えられるため、どんどん大きさを増していきます。
入れ歯の金属や金具は自分では曲げたり治したりできないので、この場合は、歯科医院にすぐに受診をして、入れ歯の調整をしてもらう必要があります。
合わない入れ歯は歯科医師に相談してください
入れ歯の不適合でできる口内炎には、まず歯科医院を受診し、入れ歯を調整してもらいましょう。
歯茎にあたる面を調整したり、緩んだ金属を締めなおすことで入れ歯がしっかりとフィットするようになり口内炎の再発を防ぐことができます。
痛みがある場合に我慢してしまうと、潰瘍が大きく深くなり、歯茎がもとに戻るまで時間がかかります。何か違和感があった場合には放置せず、必ず歯科医院を受診しましょう。
また歯茎が弱くてすぐに口内炎ができる方には、入れ歯安定剤を使用し入れ歯のぐらつきを抑えることもあります。安定剤には様々なタイプがあるのでどういったものが適しているか、相談してみましょう。
特に入れ歯を長く使っている方で、摩擦や擦れが解消されない方は、柔らかい素材の入れ歯(ノンクラスプデンチャー)に作り変えるのも一つの方法です。ノンクラスプデンチャーは金属のバネがない入れ歯ですので、金属で毎度同じところに口内炎ができる方にも適しています。
義歯性口内炎ができる理由その２、お手入れ不足
入れ歯に付着したデンチャープラーク(入れ歯についた食べ物のカスなど)からカンジダ菌が多く検出され、この細菌が義歯性口内炎の発生誘引であると報告されています。食後に入れ歯を清掃しないと、残った汚れから細菌が繁殖しそれが口内炎を引き起こす原因となってしまいます。
入れ歯は水で洗い流した後、専用のブラシで磨きましょう。ここでのポイントとしては、必ず入れ歯用のブラシを使うことと、歯磨き粉は使用しないことです。歯磨き粉には研磨剤が含まれており、これが入れ歯を傷付ける原因となってしまいますので気をつけてください。
次に、入れ歯用の洗浄剤を使用しましょう。
このようにすると、入れ歯を清潔に保て菌の繁殖を防ぐことができます。
口内炎の対処法について
義歯性口内炎では、うがい薬や軟膏の使用も効果的です。
口内炎ができてしまったら、特に口腔内を清潔に保つ必要があります。うがい薬は、口腔内を消毒することができ、傷の治りを早めます。また、口内炎になる原因の1つに細菌感染もありますので、これも防ぐことができます。
軟膏は口内炎部分に直接塗れるため効果が高いです。軟膏には痛みを抑える鎮痛剤や、炎症を抑えるステロイド剤が含まれており、これにより口内炎が引き起こす痛みなどの不快感を軽減することができます。
食事は口内炎が治るまでは刺激物を控えるようにし、やわらかい食べ物を選ぶようにしてください。
偏った栄養や睡眠不足などで栄養不足や免疫力の低下が起こると発症しやすくなります。とくに皮膚や粘膜の修復を促すビタミンB類が不足すると口内炎ができやすいです。規則正しい生活をすることで改善することができます。
今回は入れ歯が原因でできてしまった義歯性口内炎についてお話ししました。合わない入れ歯で口内炎ができることが多いですが、免疫力の低下や生活習慣の乱れなども関係します。口内炎ができてお悩みの方はスカイ&ガーデンデンタルオフィスまでお気軽にお問い合わせください。
