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虫歯は自然治癒する? Blog

歯科医 永田 さやか (ながた さやか)
スカイ&ガーデン デンタルオフィス 院長

虫歯の経過

切り傷や風邪などは、安静にしていればある程度は自然に元の状態に戻ります。

このように、自身の修復能力や免疫力によって病気や怪我が治ることを自然治癒と呼んでいます。

これは、失われた体細胞などが細胞分裂などによって修復されたり、細菌やウイルスを白血球などの免疫細胞が排除して、身体の健康を保つための能力です。

この力は人間にもともと備わっていて、ほとんどの器官・組織が持っているのですが、歯はどうでしょうか?

 

歯の自然治癒能力

歯には皮膚などの組織ほどの回復力はありませんが、歯の自然治癒は日々起こっています。

それが、「再石灰化」と呼ばれる作用です。

食事をしたり、糖分を含む飲み物を摂取すると、歯の表面に残った糖質を虫歯菌が分解して酸を作り出します。

この酸は、歯の表面を覆うエナメル質というとても硬い組織を溶かす作用があり、その程度が大きいと虫歯になってしまいます。

しかし、最初期の「脱灰」という段階であれば、自然治癒力によって回復することが可能です。

 

再石灰化とは?

食事などによってお口の中のpHが下がり、酸性になると、歯の表面からカルシウムやリン酸のようなミネラルが流出して、歯の構造が脆くなってしまいます。

しかし、これらのミネラルは唾液にも多く含まれているため、時間が経てば元の状態に戻るのです。

この働きを「再石灰化」と言います。

お口の中ではミネラルが失われる「脱灰」とそのミネラルを補充する「再石灰化」が繰り返されていて、このバランスが保たれている限り、歯は虫歯にならないのです。

そのため、再石灰化は歯の自然治癒といえるでしょう。

 

自然治癒が望める虫歯とは?

歯の自然治癒はどのような虫歯に対しても起こるわけではありません。

進行して欠けてしまった歯を修復することはできないのです。

虫歯の進行はCO(要観察歯)〜C4(残根)の状態まで5段階に分かれています。

このうち、初期の虫歯であるCOのみに、自然治癒が起こるのです。

COと呼ばれる状態では、歯の表面が濁っているだけで、実質欠損と呼ばれるいわゆる「欠け」は発生していません。

この濁った部分に自然治癒が働き、元の状態に戻すことができるのです。

COはごく初期の虫歯、と表現されることが多いのですが、虫歯になる直前、といった方がわかりやすいかもしれません。

 

自然治癒を促進させる6つの要素

自然治癒を促進させるには、脱灰を防ぎ、再石灰化が起きやすい状態を保つことが大切です。そのため、以下の6つを意識すると良いでしょう

 

■適切な歯磨き方法を身につける

食事後に歯に残った磨き残しは歯を脱灰させる原因になります。

特に虫歯菌が食べかすを代謝して出す酸は虫歯の大きな原因の1つです。

磨き残しを減らすには、ご自身にぴったりの歯ブラシを見つけ、補助器具を使用しながら、お口の状態に合った歯磨き方法を知り、実践することが重要です。

スカイ&ガーデンデンタルオフィスでは、経験豊富な歯科衛生士が、お口の状態や磨き残しをチェックしながらブラッシング指導を行っています。

 

■フッ素の活用

フッ素は歯の表面を強化し、酸によってミネラルが溶け出すのを防ぎ、再石灰化を促す効果のある成分です。

フッ素の活用には、フッ素濃度の高い歯磨き粉を使う、歯磨き後にフッ素ジェルを塗布する、歯科医院でフッ素を塗る処置を受けるなどの方法があります。

 

■キシリトールガムを利用する

多くの虫歯菌は糖を代謝して酸を作り出します。

しかし、キシリトールは虫歯菌が取り込んでも代謝できず、むしろ虫歯菌の増殖や酸を作り出す働きを阻害することができる特殊な糖類です。

虫歯菌の働きを抑え、虫歯を間接的に防ぐことができます。

市販のキシリトールガムなどにはキシリトールだけでなくショ糖などの普通の砂糖も含まれていることがあるので注意が必要です。

 

■リカルデントガムを噛む

リカルデントガムには、CPP-ACP(風邪インホスホペプチド・非結晶リン酸カルシウム複合体)という牛乳由来の成分が含まれています。

この成分はオーストラリアのメルボルン大学歯学部教授のエリック・C・レイノルズ先生によって研究され、1999年に発表された化学合成物質で、歯の脱灰を防ぐ、再石灰化を促進する、歯を強化するといった効果があります。

 

■間食を控える

飲食によってお口の中は酸性になりやすく、脱灰が起こりやすい状況が生まれます。

そのため、お口の中を酸性にするような飲食の回数を減らし、だらだらと食べ続けるのを控えることによって、歯が脱灰してしまう機会を減らすことができるのです。

水分補給などが必要な場合は、お口の中が酸性にならないお茶やお水を飲むと良いでしょう。

 

■就寝前の飲食をしない

夜眠っている間は虫歯菌の活動が活発になりやすく、再石灰化に必要な唾液の分泌も少なくなります。

寝る前にはしっかりと歯磨きをして、その後は飲食を避けましょう。

 

以上の6点を心がけることで、歯は虫歯になりにくくなります。

脱灰の段階であれば、自然治癒で元の状態に戻すことができるため、削って詰めるような治療をする必要もありません

お口の中の変化は小さく、ご自身で判断をするのは難しいと思います。

スカイ&ガーデンデンタルオフィスの定期検診では、知識の豊富な歯科医師が、しっかりとお口の変化をチェックします。

虫歯の治療をなるべく避けたいという方は、ぜひご相談ください。

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